政府より1人一律10万円の特別定額給付金の給付が始まっています。申請は郵送とオンラインの2つの方法がありますが、できればオンラインでさっと済ませたいと思われる方もいるかと思います。オンライン申請は、iPhone, Android, PCで行えますが、特にPCは動作環境を整えるハードルが高く現実的ではないので、今回はiPhoneに絞って手順を解説したいと思います。オンライン申請では申請の間違いが多いようで、郵送による申請を推奨する自治体もあるようですが、ポイントさえおさえれば、間違う事もなく30分程度で完了する事ができます。今回は間違いやすそうな部分を重点的に丁寧に解説していきたいと思います。(政府はあまりにも入力間違いが多いため、入力画面の一部で確認メッセージを表示させるなど、変更が加えられました。その変更済みの画面キャプチャも細かく載せました。
必要なもの
- iPhone7 以降 (iOS13.1以降)
- 世帯主のマイナンバーカード (マイナンバー通知カードは不可。世帯主以外の同居人のカードは不要。マイナンバーカードの有効期間は、発行の日から10回目の誕生日まで)
事前準備
マイナンバーカードの暗証番号・電子証明書有効期限の確認
マイナンバーカードには、なんと下記の4種類もの暗証番号が設定されています。スムーズに申請できるように、事前に暗証番号を確認しておきましょう。10万円給付金申請には、1と3と4が必要です。2〜4は同じ暗証番号を設定している方もいるかと思います。電子証明書の有効期間は、発行の日から5回目の誕生日までです。(マイナンバーカードの有効期間とは別のもので券面には記載されていませんので注意して下さい。)期限の更新は役所窓口でしか実施できないので、前もって期限を確認しておきましょう。
1.署名用電子証明書 | 英数字6文字以上、16文字以下 (英字は大文字) | ✓ 必要 |
2.住民基本台帳用 | 数字4文字 | 今回は不要 |
3.券面事項入力補助用 | 数字4文字 | ✓ 必要 |
4.利用者証明用電子証明書 | 数字4文字 | ✓ 必要 |
マイナポータルAPのインストール
下記より「マイナポータルAP」アプリをインストールしておきましょう。
振込先口座の確認書類
給付金の振込先口座の銀行名、支店名、口座番号がわかる資料を添付する必要があります。事前に準備しておきましょう。キャッシュカードがあれば、事前に写真を撮っておくと良いです。キャッシュカードや通帳がなければ、インターネットバンキング用のサイトへログインして、口座番号、口座名義が表示されてい画面のスクリーンショットを撮っておきましょう。給付金のオンライン申請で添付書類として使用できる画面について、各金融機関がWebサイトで公開していますので、そちらを参考にすると良いかもしれません。口座名義は、カナ表記ではなく、漢字やローマ字でも大丈夫です。
手順
それでは、具体的な手順を説明していきます。
1.マイナポータルAPを開いて、ログインをタップします。
2.利用者証明用電子証明書(数字4文字)のパスワードを入力し、次へをタップします。
3.マイナンバーカードの上にiPhoneを置きます。読み取り開始をタップして、読み取り完了と表示されるまで、カードとiPhoneを接触させたまま、動かさないようにしましょう。
4.下記の画面が表示されたら、iPhoneの時計の時刻表示のすぐ下あたりにある「◀Safari」をタップします。「<パスワード入力」などと間違わないように注意しましょう。このステップが最も間違いやすいポイントです。
5.マイナポータルを初めて利用する方は、ここで利用者登録を行います。Safariに遷移して処理中の画面が表示されます。しばらく待つと、画面下部にクッキーの同意確認が表示されるので、同意をタップします。
6.メールアドレスを入力して、同意をタップします。確認画面が表示されるので、内容に間違いがないか確認して、完了をタップします。完了画面が表示されれば、利用者登録は完了です。メインメニューへ戻りましょう。
7.ここから本題の給付金を申請していきます。メインメニューで、申請はこちらをタップします。
8.ぴったりサービスが開きます。まず、住民票の郵便番号を入力し、検索をタップします。するとその下に、都道府県名と市区町村名が表示されるので、正しいかを確認します。次に、特別定額給付金にチェックを入れて、この条件でさがすをタップします。検索結果が表示されますので、特別定額給付金にチェックをいれ、画面を下へスクロールして申請するをタップします。
9.給付金申請には電子証明書が必要であることの確認画面が開きます。OKをタップします。
10.動作環境の確認画面が表示されます。
11. (Step1)連絡先を入力します。ここでは、メールアドレスを入力します。
12.(Step2)申請者情報を入力します。まず、マイナンバーカードから氏名などの一部の情報を読み込みます。券面事項入力補助用パスワード(数字4桁)が必要です。
13.マイナンバーカードから情報が読み込まれますが、一部追加で入力する必要がある項目があります。氏名(フリガナ)、郵便番号、申請者電話番号の3項目を手入力します。
14.(Step3)申請情報の入力を行います。同世帯の家族など、申請を行う受給者全員の氏名を入力します。また、給付金を受け取る口座の情報を入力します。
15.Step4 入力内容確認。入力する作業はありません。入力内容が正しいか確認して、次へ進むをタップします。
16.Step5 添付書類の登録。事前準備で用意した、キャッシュカードの写真などをアップロードします。アップロードに失敗する時はイメージサイズを中にして下さい。iPhone で写真を選択する画面の下部をタップする事で、イメージサイズを指定できます。
17.Step6 添付書類の確認。アップロードが正常に完了していると、下記の画面が表示されます。
18.Step7 電子署名付与
19.電子署名を付与するために、マイナポータルAPが開きます。マイナンバーカードとiPhoneが動かないようにしっかりと固定して読み取り開始ボタンをタップして下さい。読み取りが完了したら、前回同様に ◀Safari をタップして下さい。
20.Step8 印刷・送信。送信するボタンをタップして、全ての情報を送信します。このボタンをタップすると取り消しできませんので、修正が必要な場合は、ここで戻るをタップします。
21.申請完了です。お疲れ様でした。申請後に問い合わせなどを行うケースに備えて、受付番号を控えておきましょう。また、申請様式の控え(PDF)を自分のメールアドレス宛へ送付する事もできます。このPDFは通常使用する事はありませんが、念の為に送信しておくとよいかもしれません。
22.申請データが自治体に受領されると、「【ぴったりサービス】 電子申請データ受領のご連絡」の件名のメールが送られてきます。私の場合は、送信した日が2020年6月5日(金)で、その2日後の7日(日)にメールが届きました。オンライン申請は、あまりうまくいっていない印象でしたので意外でした。しかも日曜日に届いたので少し驚きました。自治体の方が休日も対応されている事が想像できます。
最後に
iPhoneでオンライン申請を行ってみて、特に不具合などはなく、画面の指示通りに進めれば、問題なく完了できました。ただ、給付金の申請などは多くの人が利用するシステムであり、iPhoneの操作やブラウザのフォーム入力に慣れていないユーザーの利用が前提となるかと思います。そういった意味では、複雑すぎる仕組みと言えるのではないでしょうか。
パスワードが多すぎる
まず、マイナンバーカードで必要なパスワードの種類が多すぎます。現在4種類あるパスワードですが、今回の給付金申請で3つのパスワードを求められます。セキュリティ上の理由から多数のパスワードを別々に設定できるようにしたのかもしれませんが、住民基本台帳用、券面事項入力補助用、利用者証明用電子証明書の3つのパスワード(数字4桁)は、役所で登録する際に、同じものを設定しても良いと言われました。システムの仕様と運用があっていませんし、ユーザーが混乱するだけです。
手入力しなければいけない情報がある
今回、オンライン申請を行う前までは、マイナンバーカードを利用して申請を行うと聞いていたので、個人情報の手入力が必要ないのかと思っていました。ところが、マイナンバーカードから情報を読み取った後に、カナ氏名、郵便番号、電話番号などは追加で手入力する必要がありました。法律上の制限なのかは知りませんが、マイナンバーカードへ記録できる情報の範囲の拡大は必要かと感じました。せっかく物理カードを使っているのであれば、マイナンバーカードをiPhoneでタッチ、パスワード入力(FaceID認証)、何の申請を行うかを選択、申請ボタンタップの4ステップでOKでは?銀行口座とマイナンバーの紐付けも議論されているようですが、是非やってもらいたいです。
マイナポータルAPとブラウザの遷移がある
おそらく、誰もが感じたと思いますが、マイナポータルAPだけで申請が完結しない事に驚きました。いろいろと言い訳はあると思いますが、ユーザーが混乱する最も大きな要因である事は間違いありません。
そもそもオンライン申請の意味があるのか
韓国ではオンライン申請を行ったら、30分後に銀行口座に入金されるそうです。日本はなぜ遅いのでしょうか。オンラインで申請されたデータは自治体によって確認されますが、なんと、せっかくデジタルな状態で届いたデータをプリントアウトして目視確認を行っているという、信じられない事実が報道されました。確かに、入金までに時間がかかるはずです。巨額の税金を投入してつくられたオンライン申請システムは、ユーザー側への見せかけだけのもので、処理を行う側の人件費削減(税金の節約)には全く繋がってなかったのです。それどころか、仕事が増えています。さすが政府ですね。あ、でも郵送申請に比べると、国民がポストに投函する手間(時間)と郵便配達員の仕事は削減できてますね。